契約の週に、仲介から「印紙代」と言われることがあります。引っ越し全体の順番は 引っ越しでやること完全ガイド です。見積の敷金や礼金の行は 賃貸の初期費用の内訳 です。この記事は、紙の契約書に収入印紙を貼るか、電子契約ではどうかを分ける話だけです。
賃貸の契約書を前にすると、「印紙は誰が貼るのか」「電子なら不要なのか」が急に話題になりがちです。契約の効力と印紙税は別の話なので、仲介の慣行だけを頼りにするとあとで説明が難しくなります。課税文書の考え方と、電子契約との違い、契約当日に残しておく確認先を、入門レベルでまとめます。
まず整理しておきたいこと
次のような進め方は、税額の根拠が残らず、更新や引っ越しのあとに争いにくくなります。
- 紙で二部作るのに、どちらに貼るかを契約前に聞かない
- 「電子契約なら不要」とだけ聞いて、媒体と契約形態を確認しない
- 仲介の慣行だけで税額を決め、公式の案内を残さない
- 収入印紙を貼っただけで消印をしない
貼り忘れで契約が無効になる、というより、税の話として過怠が指摘されることがある、と説明される場面があります。契約そのものと印紙は分けて考えるとよいでしょう。
紙の契約書と課税文書
建物の賃貸借契約書は、国税庁の案内では印紙税の課税対象になりません。部屋の場所を示すために敷地面積が書いてあっても、建物の賃貸借なら同じです。家賃の月額で税額が決まる、という話ではありません。
例外があります。敷地そのものの賃貸借であることが明らかな契約は、土地の賃借権の契約として課税されます。建設協力金や保証金を一定期間据え置いて返す約束が書いてある契約は、消費貸借の契約として課税されることがあります。更新の合意書が別の課税文書になることもあるので、文書の名前だけで済ませないほうが安心です。
仲介が「こちらで貼ります」と言うことも、「各自」と言うこともあります。紙で二部作る場合は、どちらに貼るかを契約前に聞いておくと安心です。自分だけで判断せず、国税庁の「建物の賃貸借契約書」の案内を印刷して仲介に見せると、会話が進みやすいです。
収入印紙の消印は契約日にします。貼っただけで消印がないと、あとから指摘されることがあります。基礎の話は、貼るか貼らないかだけではなく、消印までです。
電子契約との違い
電子契約にすると収入印紙が要らないことがあります。一方で、「電子契約なら不要」は媒体と契約形態で扱いが違うため、公式情報の確認がおすすめです。
電子署名の契約は、メールで届いたファイルを印刷しても、それが課税文書になるかは別問題です。安易に印刷して署名欄を増やすと、どれが課税文書かの話が再び出ます。電子契約の画面で署名したあと、紙の控えに署名を求められることもあります。控えの紙に署名する前に、それが契約書なのか説明書なのかを聞いておくとよいでしょう。説明書なら、契約の体裁をむやみに増やさないほうが安心です。
契約当日に残す確認先
国税庁の印紙税のページと、契約書の該当条項を残しておくのがおすすめです。不明点は税務署の電話相談へ聞くとよいでしょう。仲介の慣行と法令がずれることがあり、「当店は貼ります」で終わって税額の説明がないケースもあります。自分で印紙税の税額表を印刷して持っていくと、会話が具体になります。
慣行で払わされた額が正しいとは限りません。領収と契約書原本は、更新まで一つの袋に入れておくと安心です。引っ越し後に「印紙代を取り過ぎ」と争うときには、証拠が要るためです。
紙で契約する日は、誰が貼るかと消印までをその場で決めておくと、あとで取り合うことが減ります。電子契約に切り替えたあとに紙を求められた日は、その場で署名せず持ち帰ったうえで、税の案内と並べてから判断してみてください。
次に読む
- 引っ越しでやること完全ガイド(転出・転入と、契約の週の位置)
- 賃貸の初期費用の内訳と削減しやすい項目(敷金・礼金。印紙とは別の行)
- 更新料・更新事務手数料の確認ポイント(更新の合意書が、別の文書になることがある人)
同じ分類の記事
参考・確認先
- 国税庁:建物の賃貸借契約書(建物の賃貸借は原則非課税。土地の賃貸や建設協力金の例外)
よくある質問
Q電子契約なら印紙は不要ですか?
媒体や契約形態で扱いが異なることがあります。国税庁の案内と契約書の該当条項を確認するのがおすすめです。
