会社を辞めたあとに知りたいのは、制度の名前よりも「来週、自分は何を出せばよいか」です。先に分岐は二つあります。次の会社まで空白があるかと、家族の健康保険の扶養に入れるかです。
このページは親記事です。健康保険の3択の細目は 退職後の健康保険 に、号の話は 国民年金と厚生年金 に分けてあります。
期限順のやること一覧
日付の起算は、最終出社日ではなく 退職日(資格喪失の前日側) です。人事に「資格喪失日」を一文でもらうのが、いちばん早いです。
| いつ | やること | どこ | 期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 退職前 | 有給の残日数と申請期限 | 勤怠・就業規則 | 最終出社日と退職日をずらす人 |
| 退職前 | 離職票・源泉徴収票・退職証明書・健康保険の任意継続書類の行き先を聞く | 人事・健保 | 退職願を出した時点 |
| 退職日の翌日から20日以内 | 任意継続を使うなら申出 | 協会けんぽ(健保組合の人は保険者) | 必着。土日祝は翌営業日の案内あり |
| 空白がある週 | 国民年金の第1号(または第3号) | 市区町村、または配偶者の勤務先 | 機構の案内に沿って速やかに |
| 資格喪失のあと | 国民健康保険に入るなら届出 | 市区町村 | 自治体の国保ページが正 |
| 離職票が届いたら | 求職の申込み(基本手当) | ハローワーク | 受給期間は原則、離職日の翌日から1年 |
| 退職後しばらく | 住民税の納付書、源泉徴収票 | 自治体・会社 | 特別徴収が止まると普通徴収になることがある |
次の会社が決まっていて空白が無い人は、健康保険と年金は次の会社の資格取得でつながることが多いです。それでも源泉徴収票と住民税の切れ目は残ります。資格喪失日と資格取得日の数え方は 転職月の社保・年金 です。
有給を消化して最終出社日と退職日をずらす人は、残日数と「何日前までに出すか」を退職願の前に見ておくと安心です。消化中も在職扱いかで、保険の資格が動く日が変わります。申請画面の控えと代替日の残し方は 有給申請をスムーズにする準備 です。
最初に保険の空白を潰す
退職後の健康保険は、協会けんぽの案内では次の3つです。
- 任意継続
- 国民健康保険
- 家族の健康保険の被扶養者
任意継続は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あり、退職日の翌日から20日以内に手続する必要があります。20日目が土日祝なら翌営業日、と協会けんぽは案内しています。郵送は必着です。保険料は、在職中に引かれていた分の2倍が目安です。事業主負担が無くなるためです。ただし上限があり、住んでいる都道府県と加入していた都道府県が違うと、単純な2倍にならないことがあります。傷病手当金と出産手当金は、任意継続の期間中に新たに発生したものは支給されない、という案内があります。在職中から続いて受けている場合の扱いは、協会けんぽの各ページが正です。
国保の保険料は、世帯人数と前年所得で動きます。退職して収入が落ちた実感と、請求が噛み合わないことがあります。減免の案内がある自治体もあるので、納付書が来てからではなく、先に自治体の国保ページを見ておくと安心です。届出の日数は自治体で差があるので、ここでは断定しません。
家族の扶養は、社会保険の扶養 と税金の扶養は別です。失業給付を受ける期間を収入とみなす保険者があります。口頭の「大丈夫だと思う」は使いません。認定通知が来るまで、資格確認の書類が手元にない期間があります。その間の受診をどうするかは、保険者に先に聞いておくと安心です。
協会けんぽ以外の健保組合に入っていた人は、任意継続の窓口が組合です。協会けんぽのページを印刷して持っていくと、書式が違います。
年金の号を切り替える
日本年金機構の案内では、健康保険(協会けんぽ)と厚生年金に入っていた人が退職し、しばらく次の会社に入らない場合や自営業等になった場合は、その期間は国民年金の第1号の手続をして保険料を納める必要があります。配偶者の被扶養者になる場合は第3号で、手続は配偶者の勤務先経由です。
月末退職と月の途中の退職で、何月分の保険料が発生するかが違います。機構のページに事例があります。自分で計算して「空白の数日は無視してよい」と決めないほうが安全です。
配偶者が第3号だった人は、自分が退職すると配偶者も第3号を失い、第1号の手続が必要になることがあります。自分の保険だけ見て終わると、世帯のもう一人が未納になります。
保険料の納付が難しいときは、未納のままにせず免除等の申請、と機構は案内しています。退職・失業による特例免除もあります。払えない月を放置しないほうがよいでしょう。
失業給付は離職票が来てから
雇用保険の基本手当は、離職して失業の状態にあり、求職の申込みをした人向けです。ハローワークインターネットサービスの案内では、受給できる期間は原則、離職した日の翌日から1年間です(所定給付日数が長い人は、その分だけ長い案内があります)。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。
手続の起点は、会社から届く離職票です。届かないときは、先に会社へ催促し、それでも動かなければハローワークに相談するのがおすすめです。推測で「待っていれば届く」と決めないほうが安全です。
待期と給付制限、認定日の数え方は 失業したあとにやること完全ガイド に分けてあります。短編は 失業手当(基本手当)の受給の流れ です。退職の親記事では、保険と年金の空白を先に潰すことだけ押さえておくとよいでしょう。ネットの「自己都合は3か月」だけでカレンダーを埋めないほうが安全です。
住民税・源泉徴収票・確定申告
在職中の住民税は給与天引き(特別徴収)が多いです。退職すると、残額を最後の給与でまとめて引くか、自分で納付書払い(普通徴収)に切り替わることがあります。普通徴収と特別徴収 に、現金がいつ出ていくかの差を書いてあります。納付書は地味な封筒のことがあります。転送期間中に届くので、捨てないほうがよいでしょう。
源泉徴収票は、会社から交付されます。欄の見方と、転職年に二枚揃えるまでの注意は 源泉徴収票の見方入門 に分けてあります。届かないときは人事へ連絡するのがおすすめです。会社が電子でしか出さない場合は、在職中に印刷しておくと安心です。退職後に社内システムが閉じると、パスワードが開かないことがあります。年の途中で退職し、その年に再就職しない人は、確定申告が必要になることがあります。離職票と同じ袋に入れて、期限に間に合うか先に見ておくとよいでしょう。同じ年に次の会社へ入った人は、新しい会社の年末調整に前の勤務先の源泉徴収票が要ります。会社が案内した提出日の見方は 年末調整の必要書類と提出期限 です。年の途中で退職し、その年に再就職しない人は、原則として年末調整を受けません。十二月の給与を受け取ったあとに退職した人など、例外はあります。医療費控除は、勤務先があっても年末調整では扱いません。税務の個別判断は税理士か税務署です。この記事は一般情報です。
退職証明書は、次の入社や貸与住宅の退去で急に二枚要ることがあります。離職票はハローワーク、源泉は次の会社か確定申告、証明書は用途の数だけ、と袋の中を分けておくと安心です。電子交付の宛先が社用メールのままだと、退職後に袋に入りません。個人メールへ転送してもらうのがおすすめです。
任意継続の保険料の領収証書は、確定申告で使うことがある、と協会けんぽは案内しています。再発行できない、とも書いてあります。捨てないほうがよいでしょう。
次の仕事を探す場合
無料でできる起点は、ハローワークの求職申込みです。基本手当を受ける人は、ここが手続の一部でもあります。
民間の転職サービスは、求人の幅を広げたい人の選択肢です。必要ない人は、ハローワークと自分で探すだけで足ります。登録その場の有料相談、不安を煽る「今やらないと」は不要です。次の会社が決まった人の書類・税金・通勤は 転職後にやること完全ガイド です。応募書類の住所と氏名は、履歴書の更新 と 入社時の身分書類 を、内定が出てから慌てないように先に揃えておくと安心です。
会社を辞めてから開業する人と、在職のまま副業を始める人では、先に見る紙が違います。在職中なら、税の前に就業規則の許可か届出です。線の引き方は 副業許可の社内確認 です。辞めたあとの申告の切れ目は 副業の税金 です。失業給付の受給中に就労する場合は、ハローワークへ申告する話です。黙って働くと、あとから返還の話になります。
よくある詰まり方
- 任意継続の20日を、退職願を出した日から数える
- 国保と任意継続を、保険料を出さずに雰囲気で選ぶ
- 自分の第1号だけ出して、配偶者の第3号を放置する
- 離職票が来る前に「失業保険は自動」と思う
- 源泉徴収票を電子のままにして、退職後に開けない
- 同じ年に再就職したのに、前の会社のカレンダーだけで年末調整を諦める
- 退職証明書の枚数を、在職最終週に聞かない
- 電子交付の宛先が社用メールのまま
- 住民税の納付書を、転送メールと一緒に捨てる
- 次の会社が決まったので、空白の1週間の保険を見ない
- 有給の残日数を口頭だけで決め、最終出社日と退職日がずれたまま保険を数える
カレンダーに書くのは、任意継続の20日と、離職票の到着確認と、年金の届出です。この3つが埋まると、残りは後から追えます。まずは資格喪失日だけでも、人事に聞いてみてください。
次に読む
- 有給申請をスムーズにする準備(残日数と申請期限。消化で最終出社と退職日がずれる人)
- 失業したあとにやること完全ガイド(基本手当・求職の親記事)
- 失業手当(基本手当)の受給の流れ(待期・認定の短編)
- 退職後の健康保険の選び方
- 年金の手続きでやること完全ガイド
- 国民年金と厚生年金の違い
- 社会保険の扶養認定
- 住民税の普通徴収と特別徴収
- 源泉徴収票の見方入門(支払金額・税額・控除。転職年は二枚)
- 年末調整の必要書類と提出期限(同じ年に次の会社へ入る人。会社が案内した提出日)
- 転職後にやること完全ガイド(次の会社が決まった人)
- 副業許可の社内確認ポイント(在職中に始める人。退職後の開業とは順番が違う)
- 転職月の社保・年金で空白を作らない方法(次の会社の資格取得日で空白を数える)
- 引っ越しでやること完全ガイド(退職と引っ越しが重なる人)
参考・確認先
- 全国健康保険協会 任意継続(3択、20日以内、保険料の考え方)
- 居住自治体の公式サイト(国民健康保険の届出・減免)
- 日本年金機構 会社を退職したときの国民年金の手続き
- ハローワークインターネットサービス 基本手当について
- 厚生労働省 基本手当・再就職手当のQ&A
よくある質問
Q次の会社が決まっていても手続きは要りますか?
入社日まで一日でも空白があるなら、健康保険と年金の扱いを確認したほうが安全です。翌日入社でも、資格の日付は最終出社日ではなく退職日の翌日側で動きます。人事に資格喪失日を聞いておくと安心です。
Q任意継続と国保、どちらが安いですか?
人によります。任意継続は在職中の保険料の2倍が目安ですが上限があります。国保は世帯の人数と前年所得で動きます。数字を並べる前に「任意継続が安心」で選ぶと、年間で大きくずれることがあります。
Q失業給付は辞めたらすぐ振り込まれますか?
なりません。ハローワークで求職の申込みをし、受給資格の確認、待期、離職理由による給付制限、失業の認定、と進みます。受給できる期間は原則、離職日の翌日から1年間です。遅れても手続き自体は期間内ならできますが、残日数が減ることがあります。
Q転職サイトに登録しないと損ですか?
必須ではありません。求職の起点はハローワークで足ります。民間の転職サービスは、自分で探すより求人の幅を広げたい人の選択肢です。不安を煽る勧誘や、その場の有料契約は不要です。
